2013年7月9日火曜日

医学医療の進歩

iPs細胞により、医学と医療全般に俄かに希望の光が差し始めているかもしれない・・・と思うのは勘違いなのか??
しかし、勘違いだとしても、それに希望を託したい患者、その家族、医療関係者が世の中にはたくさん居るのだと思う。
iPs細胞で、固体のヒト肝細胞を作ることに成功したとの報道により、その思いは一層高まったのではないか?
希望の光
現在難病と指定されて、治療方法も、発症のメカニズムも、原因遺伝子特定もされていない病気への治療方法も時を掛ければやがて特定されてくるのかもしれない。

先日、「遺伝子分析で、何処まで未来を知りたいか」的なタイトルの番組を観て思った事。

かつて、遺伝子の解析には数十年を要していたものが、最近では、一日あれば、解析結果が出るという。

このことにより、特定の患者の遺伝子と、健常者の遺伝子を相対的に比較して遺伝子異常個所の特定が短時間に行えるようになり、それに対する対処方法を模索するにあたり、ターゲットを絞り込むことで、有効な治療方法をとることが出来るようになったそうだ。
また、原因究明に対しても、問題箇所の特定が短期に行えることにより、治療方法研究も加速してきているのだという。

そうした研究の成果が出て、一般に適用できるようになるまでには、研究者達の日々の探究心と努力が必要であり、当然、そうした基礎研究、応用研究に対する国家のフォローが欠かせない。

番組では、市販の遺伝子分析キットなるものを使って民間の遺伝子分析機関による、将来発症のリスクの高い病名をリストアップしてくれるというサービスを取り上げて、遺伝子分析による将来の自分の運命とどう向き合うか??という内容で構成されていた。

遺伝子分析キットに必要となる試料(唾液等)を入れて、送りると数日後、分析結果が送付、あるいは個別のパスワードでのみアクセス可能なWeb上で結果を見ることが出来るサービスで、これを、番組のメインキャスター(平岳大)が米国のキットを試し、その結果を報じていた。

数十の疾病に対して、今後発症のリスクが、パーセンテージで示されるのだ。
そのリスクの高さに応じて、予防策を講じる事も出来る反面、治療法の確立されていない病気に対するリスクも検査されており、それらの検査結果を本当に閲覧したいか? という確認のメッセージが表示されるのである。

番組では、そのキャスターが将来的なアルツハイマー発症のリスクが、それに当たっており、キャスターはそれを閲覧することにした。

結果は、リスクとしては高めの数値判定だったわけなんだが、そうした結果を受診者自身がどう受け入れるか?というのが重要なポイントであることを言っていた。

事前に知ること・・・知った上で、その事象に対応できる術があればそれは予防策としては万全ではないか。
しかし、発症しうる疾病に対する治療方法が確立されていないものに対する未来予測は、どうだろう??
それを受けて、絶望の淵に立つか、それに備えた生活設計をするか、それは当事者の覚悟次第なんだろうと思う。
このように、現在では、遺伝子を分析、比較することで様々な疾病への発症リスク判断だけでなく、その人間の才能までも判断できることに応用され、中国では、子供の遺伝子分析で、適職を判定して子育てに応用しようということで、分析会社が繁盛しているのだとか。
一方、米国では、受精卵の遺伝子分析により、発症リスクの低い受精卵を用いて妊娠出産するということへの応用も盛んに行われて、事業として成り立っているとの事。

確かに、そうしたことで、将来の不安材料をなくした状態で子を設けることが親としての安心を得る術なんだろうが、こうしたことで、ある意味完全無欠の横並びの人間ばかりが蔓延した世界では、何かの拍子に、新たに身体的問題が発生した場合に対応出来ずにあっという間に全滅・・・といったことすら懸念されるわけで、多様性で様々なタイプの人間が、単一的な同一規格の人間ばかりになった場合のリスクへの警鐘も論じていた。

多様性ある種の存在
色々と考えさせる内容であった。
しかし、ヒトはどんなときでもリスクとの天秤ばかりで考え行動して行かねばならない。

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