2013年7月29日月曜日

進行に応じた周辺機器の変更


日曜日に訪問したとき、これまでナースコールが大きなボタンタイプのものを僅かに動かせる右手の側に置いていたのが、プローブタイプのものに変わっていた。

右の頬にプローブ先端が位置します
どうやら更に機能低下が進み、腕、手のひらでのボタン押下が困難になっているためだと思われます。

プローブタイプのナースコールは、その先端が、K-coさんの頬のあたりに設置されて、頭を動かすことで作動するようになっていました。
その感度は非常に敏感で、K-coさんの目元をティッシュで拭っている際にフッとティッシュが当たっただけで反応してしまいました。

介護中は、うっかり鳴らしてしまわないように注意が必要です。
一方、テレビリモコンは、依然、左手の人差し指と中指の間に挟んだマイクロスイッチによる信号切替機を愛用中です。

先日届いた写真をコラージュしたよ

2013年7月28日日曜日

故郷の風景が

先日来、K-coさんのもとに、私の故郷奄美の風景を添えたフォトレターが届いてます。
これは、先月までお世話になっていたダイビングを趣味として奄美に移住されている看護師さんから届いた写真です。
K-coさんは、神奈川出身で、その夫である私の故郷が奄美なんですが、たまたまお世話してもらっていた時に、「奄美の海に潜っている」、との話で、K-coさんが、その看護師さんに好感を持ったようで、私に、その看護師さんのことを教えてくれたのは今年始め頃だったでしょうか?
当時は、まだ気管切開もしておらず、手の甲に自分で文字を書いて意思疎通していた頃でした。
そんな看護師さんも、この夏に奄美に戻られて、暫くのあいだK-coさん元気がなかったのですが、K-coさんに奄美の海と風景を届けてくれました。
今日はこれから病院に出向いて、届いた写真を見てもらうことにします。

心の支えは

今日は日曜日です。
雨に洗われた青もみじ


いつものようにK-coさんを訪問する予定です。

先週は発熱があり、点滴投与を受けていたのですが、その後、熱も下がって安定しているとの報告を受けていますので、今日、行って様子を伺おうと思います。

京都嵐山愛宕念仏寺の羅漢さん
以前に書いたと思いますが、K-coさんのベッドサイドにはフォトビジョンを置き、フォトレターを受信して写真スライドショーを見てもらえるようにしています。

テレビに飽きたら、観てもらえばいいかなぁと、私自身の思い込みで設置してます。
自分で、操作できないので、私が訪問したときに、新しいフォトレターを読み込んでスライドショーで見てもらっています。

最近は、K-coさんの友人の方からのフォトレターや、お世話になっていたナースの方からのフォトレターが届き、K-coさんの目を楽しませてくれています。

そうしたフォトレターを話題にK-coさんと会話して過ごしています。


2013年7月15日月曜日

夏の装い

Kーcoさんの入院生活も間ももうすぐ一年になります。
 夏の光が緑の色合いを変化させたということも
 水の煌めきが光を放ち見るものの視覚に飛び込んでくる事も
ベッドの上では感じることも出来ないのです。
 
周囲の物音、テレビで流れる音声で季節の移り変わりを感じることしか出来ないのです。
毎週、病室を訪れてはベッド上に横たわる恵子さんに近況などを話して聞かせてはみるものの話だけでは彼女の心情などリフレッシュさせてやれているのか疑問です。
 
自らが声を発して何かを訴えること、感情を表に出すことが出来ない今、接する者は、それを汲み取る心遣いが必要なんだと常々思うようになりました。
 
自分がして欲しいこと、してやりたいことそんなものを思いやる気遣い、そうしたものが今の恵子さんには一番必要なのではないのか?
 
と、そんな事を思いつつ、先日は、これまで使っていたオールシーズンのパジャマを夏物の涼しい素材のものに取り替えるべく探し回った挙句、2着の夏物パジャマを入手して、遅まきながら衣替えをしました。
 
 
 


2013年7月9日火曜日

医学医療の進歩

iPs細胞により、医学と医療全般に俄かに希望の光が差し始めているかもしれない・・・と思うのは勘違いなのか??
しかし、勘違いだとしても、それに希望を託したい患者、その家族、医療関係者が世の中にはたくさん居るのだと思う。
iPs細胞で、固体のヒト肝細胞を作ることに成功したとの報道により、その思いは一層高まったのではないか?
希望の光
現在難病と指定されて、治療方法も、発症のメカニズムも、原因遺伝子特定もされていない病気への治療方法も時を掛ければやがて特定されてくるのかもしれない。

先日、「遺伝子分析で、何処まで未来を知りたいか」的なタイトルの番組を観て思った事。

かつて、遺伝子の解析には数十年を要していたものが、最近では、一日あれば、解析結果が出るという。

このことにより、特定の患者の遺伝子と、健常者の遺伝子を相対的に比較して遺伝子異常個所の特定が短時間に行えるようになり、それに対する対処方法を模索するにあたり、ターゲットを絞り込むことで、有効な治療方法をとることが出来るようになったそうだ。
また、原因究明に対しても、問題箇所の特定が短期に行えることにより、治療方法研究も加速してきているのだという。

そうした研究の成果が出て、一般に適用できるようになるまでには、研究者達の日々の探究心と努力が必要であり、当然、そうした基礎研究、応用研究に対する国家のフォローが欠かせない。

番組では、市販の遺伝子分析キットなるものを使って民間の遺伝子分析機関による、将来発症のリスクの高い病名をリストアップしてくれるというサービスを取り上げて、遺伝子分析による将来の自分の運命とどう向き合うか??という内容で構成されていた。

遺伝子分析キットに必要となる試料(唾液等)を入れて、送りると数日後、分析結果が送付、あるいは個別のパスワードでのみアクセス可能なWeb上で結果を見ることが出来るサービスで、これを、番組のメインキャスター(平岳大)が米国のキットを試し、その結果を報じていた。

数十の疾病に対して、今後発症のリスクが、パーセンテージで示されるのだ。
そのリスクの高さに応じて、予防策を講じる事も出来る反面、治療法の確立されていない病気に対するリスクも検査されており、それらの検査結果を本当に閲覧したいか? という確認のメッセージが表示されるのである。

番組では、そのキャスターが将来的なアルツハイマー発症のリスクが、それに当たっており、キャスターはそれを閲覧することにした。

結果は、リスクとしては高めの数値判定だったわけなんだが、そうした結果を受診者自身がどう受け入れるか?というのが重要なポイントであることを言っていた。

事前に知ること・・・知った上で、その事象に対応できる術があればそれは予防策としては万全ではないか。
しかし、発症しうる疾病に対する治療方法が確立されていないものに対する未来予測は、どうだろう??
それを受けて、絶望の淵に立つか、それに備えた生活設計をするか、それは当事者の覚悟次第なんだろうと思う。
このように、現在では、遺伝子を分析、比較することで様々な疾病への発症リスク判断だけでなく、その人間の才能までも判断できることに応用され、中国では、子供の遺伝子分析で、適職を判定して子育てに応用しようということで、分析会社が繁盛しているのだとか。
一方、米国では、受精卵の遺伝子分析により、発症リスクの低い受精卵を用いて妊娠出産するということへの応用も盛んに行われて、事業として成り立っているとの事。

確かに、そうしたことで、将来の不安材料をなくした状態で子を設けることが親としての安心を得る術なんだろうが、こうしたことで、ある意味完全無欠の横並びの人間ばかりが蔓延した世界では、何かの拍子に、新たに身体的問題が発生した場合に対応出来ずにあっという間に全滅・・・といったことすら懸念されるわけで、多様性で様々なタイプの人間が、単一的な同一規格の人間ばかりになった場合のリスクへの警鐘も論じていた。

多様性ある種の存在
色々と考えさせる内容であった。
しかし、ヒトはどんなときでもリスクとの天秤ばかりで考え行動して行かねばならない。

2013年7月2日火曜日

お世話になりました。

一昨日の日曜日、いつものようにKーcoさんに面会に行きました。

病室に入ると、珍しく寝てました。

声を掛けると、トロンとしてこちらに視線を向けます。

何だか、元気がなさそう。
体調でも悪いのかと尋ねると、そんな事も無いと答えるのですが、どうも様子がおかしいのです。

取り敢えず、お洗濯の準備をして戻ってくると、Kーcoさんが、私に

「xxさんが辞めた」

と伝えます。
xxさんというのは、看護師さんでダイビングが好きで私の故郷、奄美の海をダイビングの拠点にして年の半分以上は向こうで過ごすという看護師さんの事です。

奄美と言う共通の話題も有ってか、これまで何かとお世話になっていた看護師さんの1人でした。

そんな訳で、気分が落ち込んでいたのでしょう。(≧∇≦)

そして、もう一人、お世話になっていた看護師さんが本日付で退職されるというのです。

落ち込む気も分からないでは有りませんが、感謝してお別れしなくてはなりません。
発声出来たら自らの声で感謝を伝えられるのでしょうが、文字盤の文字を一文字づつ示して、5文字の「あ り が と う」を伝えたKーcoさん、涙目になりながら看護師さんを見つめています。

そんな訳で、気分が落込んでいたK-coさんにお別れを言いに見えた看護師さんとの2ショットを撮ってあげて、彼女の枕元にあるフォトビジョンに送信しました。