2013年1月27日日曜日

春探し

一週間ぶりの病室訪問
先週は同じ病院に筋ジストロフィーで入院する娘さんを見舞いに来たという60代の女性と病院の帰りが一緒だった。

同じ電車の中で隣に座ったその女性と話すとも無く互いの家族の事が話題となった。

聞けば、その女性はご主人を遺伝性の筋ジストロフィーで亡くしており、息子さんも同じ病で亡くして、今また娘さんが発病して入院療養中だと言う。

彼女の精神的負担は計り知れないと思った。
年配の彼女は電車で2時間近くを掛けて娘さんを見舞いに川崎から来ているのだと言う。

小田原駅でそれぞれの乗り換え路線への別れ際、「頑張って下さい」と言う言葉しか見つからなかった。

以上が先週(1/20)の事だった。



そして、今日は暖かな日差しでポカポカの陽気。

家を出る前に自分の洗濯を済ませ病院に向かったのだが、途中小田原で春探しして梅の花を撮影しようとカメラを携えて城内をブラブラして紅梅と白梅のスナッをとりその足で病院へと向かった。





一時間ほど城内を散策したが、梅はまだ蕾で、一部花開いているものもあったが、見頃はまだこれからだろう。

時計は、2時半を過ぎていたので、撮影を終了して、駅に向かい、そのままK-coさんの待つ病院へと向かった。

病室の入ったのは3時をちょっと過ぎた頃。
K-coさん、マスクを装着し、いつものように横になったままテレビを観るとは無しに目を向けていました。

声を掛けると、不自由ながら、僅かに動かせる左手を手首から上げて手のひらを揺らせてお出迎えです。(ホッとする私

ひとまず、ベッドサイドにバッグを置いて、散策の成果を話して、撮ってきた写真を見せてあげると目を向けて、僅かに頷きます。

やはり大好きな猫の写真を見るときとは目の輝きが違いますが(苦笑)

そこで、たまたま、撮影中の私の足元にじゃれついて来た野良猫を撮ってましたので、その写真を見せると、目をヽ( ̄ ̄∇ ̄ ̄)ノ ランラン♪ト輝かせます。

舌先がいつも出ている子

この子が最初に足元にジャレ付いてきた

顔中傷だらけのやんちゃな子

これらの写真を、K-COさんのPCに入れて、観られるようにする事を約束して、お仕事に掛かりましたよ。

今日の仕事はいつものように、お洗濯、そして身の回りの消耗品の補充などです。

看護師さんから、必要なものの不足品を聞いて、補充しておきます。

一段落後は、K-coさんに、先週一週間の私の失敗談など話しながら過ごしました。
K-coさんからは、病室のことや看護師さんの猫好きなことなど筆談で語ります。

先週、k-coさんの隣のベッドに新しい患者さんが入院されたようで、そのことについて話してくれました。

K-coさんと同室には、同じALSの患者が二人いらっしゃって、そして他には、パーキンソン病の患者さんが二名の五名だったのですが、先週新たにパーキンソンの患者さんが入られたそうです。

その方は、比較的お元気な方で、病室内を車椅子でしょっちゅうアチコチ移動してまして、色んな事を尋ねまわっては、おしゃべり好きで話しかけるのらしいのですが、K-coさんや、もう一人のALS患者は、常時酸素マスクをしているため、話すことが出来ないし話せないので、対応に苦慮しているとか・・・

また、お隣で話していることが耳に入って、その内容でK-coさん本人が気にやんでいることなどを聞きました。

どうやら、新人の患者さんは、うちのK-coさんや、もう一人のALSの患者さんに対して、看護師さんたちが時間を掛けているなどと、他の患者さんに話していたのを耳にしたらしいのです。

その事で、K-COさんは、自分のALSという病気のこと、今の状態のことを、その新しい患者に説明してやってくれと言います。

病に失意して、療養中の病院でも尚、精神的に苦痛を味わっているんですね。
身体的なケアも必要だが、メンタルケアが、K-coさんにも、その患者さんにも必要なんだという事を感じました。

私は、そんなK-coさんに、「人は何とでも言うから、そんなの耳に入っても気にすることなんかないんだよ」って言うしかありません。

以上、今週の介護の気持ち。






2013年1月5日土曜日

気管切開は、やはり拒否

年が明けて、最初の土曜日

年末に打診していた、k-coさんの気管切開の件。

主治医と、k-coさんと私の面談が有った。

1月5日 土曜日は、午前中出勤だったので、3時過ぎに病院に向かった。

主治医は、当直だということだったのでゆっくりと時間を取ってもらって話すことが出来た。

今後の進行によっては、呼吸機能の低下は更に進み、併せて痰の詰まりや、誤嚥による急変は充分に起こりうる状況であること。

そして、現段階で、気管切開をして呼吸器の使用を始めるとなると、年末から始めた息苦しさと不安感を緩和するための医療大麻の使用をストップして、気管切開の準備を早急に進めなくてはいけないこと。

そして、何より、本人の意思が、まだ気管切開に傾いていないこと。

仮に、気管切開をして呼吸器装着をしたとしても、延命という見地から見れば、必ずしもそれを保障するものではないと言うこと。

そうした話を聞きながら、私としては、本人が望まない気管切開を私のエゴ(息苦しさに辛い思いをしている様子を見たくないという)で、推し進めることを断念し、あくまでも患者自身の尊厳を重視して、本人の意志に任せることとして

医師とともに、病室のベッドに居るk-coさんののもとに行き、改めて意思を確認して、従来の方針で行くことを決めました。

今後、k-coさんの命の残り時間がどれだけ有るかはわかりませんが、其の時が来るまで、少しでも本人が楽なように過ごしていけるようにサポートしていくだけです。

そんなわけで、何も話すこともなく、夜8時ごろまで一緒に過ごして帰る時間になりました。

毎回、病室を出て、家路に着くたびに思うのは、世の中に色んな難病があり、これといった治療応報もないまま、対処療法だけで、やがて召されるその時を待つだけの患者の気持ちです。

また、そうした難病対応の医師たちは、どんな気持ちで患者に接しているのだろうか?ということです。

医師とは。。。病を治す手助けをするもの?
治る術のない病気を担当する医師のジレンマはあるのか?

まぁ、病因すら解明されていない難病で、ましてや治療法すら確立されていない難病ですから、その進行に応じて発症するあらゆる弊害への対処を行うのが精一杯なんでしょうが。。。

恨むべきは、その病気なりっ!! ってところですかね。

対応してくださる、医師も看護師も、現状の対処に精一杯当たってくれているので、それだけでもありがたいことです。


2013年1月1日火曜日

年明けのkーcoさん

明けましておめでとうございます。

年末、kーcoさんは、いく度か痰の吸引でかなり辛いをしました。

状態は深刻になりつつあることを実感した年末でした。

大晦日に、kーcoさんと数時間を病院で過ごして、面会時間ギリギリまで一緒にいましたよ。

明けて2013年を無事に病院のベッドで迎えたkーcoさんに元日のご挨拶に行きました。
----
今年の抱負・・・などという大そうなモノなど思い浮かばないのが現実ですが、それでも僅かな希望に胸を膨らませたい思いの元日の病院です。

年末の吸引トラブルで辛く苦しい思いをしたkーcoさんに、それとなく気管切開を勧めるメールを送ってみました。

----
この事がこれまで気管切開を望んで来なかったkーcoさんの気持ちに変化をもたらせられればと思います。

兎に角、時間は留まってはくれません。

新しい年はスタートしました。

今年はkーcoさんは巳年の年女なんですよ。

白蛇が幸運をもたらしてくれますように。